何匹知ってる? 管理釣り場で釣れるトラウトの種類

釣りをする人

エリアトラウトで釣れる魚と言うとニジマスが代表的ですが、ほとんどの管理釣り場さんではニジマス以外にも色々な魚を放流してくれています。

そこで今回は管理釣り場で放流されている魚について調べてみました。
釣れたら良いことがありそうなレア度の高い魚や、釣れたら持ち帰り確定な美味しい魚まで管理釣り場で釣ることのできるトラウトについて解説していきます。

もくじ

管理釣り場ではいろいろなニジマスの仲間が釣れるんです

ニジマス

管理釣り場で釣れる魚と言うとニジマスを想像する方が多いかと思いますが、釣っている中で少し見た目が違う魚や、とても大きいニジマスを釣られたことはないでしょうか。
管理釣り場さんによって異なりますが、ニジマスだけを放流している釣り場さんよりも、いろいろな種類の魚を混ぜて放流している釣り場さんの方が多く、その大半はニジマスと同じサケ科の魚で、簡単にいえばニジマスの親戚や従兄弟みたいな物になります。

陸封型(りくふうがた)と降海型(こうかいがた)

ニジマスの種類の話をする前に覚えておくと良いキーワードとして、陸封型(りくふうがた)と降海型(こうかいがた)があります。

ニジマスと言うと川や湖などの淡水で釣れるイメージがありますが、実はニジマスは海水にも対応できる魚で、一生を淡水で過ごす河川残留型(陸封型)と、海に出て河川に戻ってくる降海型の2種類に分かれます。

よく秋になると川にサケが遡上してきたり、海でサケが捕れたりするのは降海型ですね。

陸封型のレインボートラウト
降海型のスチールヘッド
画像出典:Wikipedia

左が陸封型のレインボートラウト、右が降海型のスチールヘッドになります。

どちらも最初は同じニジマスでしたが、そのまま淡水に残るか、海に下るかによって見た目や大きさ、名前も変わってきます。

 

総じて、海に出る降海型の方が成長した時には大きくて見た目がイカツイと言われています。

管理釣り場で釣れる代表的な魚

ここからは管理釣り場で釣れる魚について紹介していきます。

ニジマス

ニジマス

管理釣り場でもっとも一般的な魚で大きいものだと40cm前後になります。エラから尾びれにかけて体の側面に赤紫色のラインがあり、体全体に黒い点があるのが特徴です。


管理釣り場さんによっては炭火が用意されている場所もありますので、炭火でしっかりと焼き上げた塩焼きがおすすめ♪
余分な水分が飛んで見た目もふっくらと仕上がって最高!
サイズが小さい物であればそのまま素揚げにして餡かけなどもおすすめです。

サクラマス

サクラマス

サクラマスはヤマメの降海型になり、ヤマメが30cm前後なのに対して、サクラマスは70cmほどの大きさまで成長します。
管理釣り場で放流されている物は養殖のため、自然のサクラマスのようにイカツイ顔はしておらず、ニジマスやイワナなどに似ていて見分けがつきにくいですが、特徴としては尾びれまで斑点が無い事や、体が白銀色である点があげられます。

 

サクラマスはサーモン類の中でも美味しいと定評のある魚です。養殖であれば生のままでも食べられるのでお刺身がおすすめです。富山のますのすしの原料もサクラマスになります。

アメマス

アメマス

アメマスはイワナの亜種で、河川に残る陸封型のイワナとは違い、海に下る降海型がアメマスになります。
見た目はイワナとよく似ていますが、体全体が白銀色なのですぐに見分けが付きます。
イワナは大きくても50cm前後なのに対し、アメマスは90cmサイズの物も確認されています。
主にはスポーツフィッシングの対象魚として人気が高く、管理釣り場以外にも、海上での降海型のアメマス(別名海アメ)を狙ったルアー釣りなども人気です。


味については正直上手くもなく、不味くもなくと言った感じであまり人気はありません。
どちらかというと身はたんぱくで味があまりないので、唐揚げなどがオススメです。

ヤマメ

ヤマメ

ヤマメは渓流の女王とも呼ばれ、美しい流線型の体とパーマーク(斑紋)に特徴のある魚です。
管理釣り場では放流されている場所が多く、比較的釣る機会の多い魚ではありますが、本来警戒心の強い魚のため釣るための難易度は少し高めです。
成長すると30~40cmほどまで成長しますが、魚体の側面にある特徴的なパーマーク(斑紋)は大きくなるにつれ薄くなっていき、最終的にはサクラマスの様な白銀色になっていきます。
アマゴに似ていますが、赤い点が無く、魚体の側面に赤紫のラインがあるものがヤマメになります。

 

脂ものっているため、塩焼きで食べるのがおすすめですが、酢でしめた姿寿司や押し寿司などもおすすめです。地域によっては燻製や、甘露煮などもよく食されています。

カワマス

カワマス-ブルックトラウト

元々はアメリカ東部が原産の魚で、日本では1900年初頭に日光湯ノ湖に初めて放流されました。
性格は雑食で何でも食べるため、ルアーやフライへの反応が良くスポーツフィッシングの対象魚として人気がありますが、近年はその悪食さ故に生態系を壊す恐れがあるとして調査の対象魚になっています。
体型的にはイワナに似ていますが、魚体の側面に黄色やオレンジの斑点があります。
管理釣り場でも放流されている場所が多く、比較的釣りやすい魚として人気があります。


身は白身で柔らかく、脂ものっているので塩焼きやムニエル、フライなどもおすすめです。

ブラウントラウト

ブラウントラウト

原産地はヨーロッパ北部で、日本に入ってきたのはカワマスの放流時に卵が紛れ込んでいたためと言われていますが、どういった経由で日本に入って来たのか詳細はわからないようです。

魚体は全体的に茶色み掛かっていて、白く縁取りのあるクロや赤い斑点があります。

 

元々カワマスとは違い、食用目的に放流された物ではなく、見た目的にもあまり人気はありませんが、味は普通に美味しい魚になります。
皮は厚めなので、イワナのように炭火で皮をしっかりと焼いた塩焼きがおすすめです。
身はニジマス特有の臭みがありますので、苦手な人には唐揚げやムニエルなどもおすすめです。

アマゴ

アマゴ

アマゴはサツキマスの陸封型で、その一生を河川で過ごす魚です。ヤマメとアマゴは外見が非常に似ていますが、アマゴには魚体の側面に赤い点があるのですぐに判別が可能です。
基本的にアマゴとヤマメも同じサケ化ですので姉妹のような感じですが、決定的に違う点として生息地域があげられます。ヤマメは北海道から九州まで幅広く生息しているのに対して、アマゴは神奈川から南の太平洋側と九州の瀬戸内側にのみ生息しています。
また、ヤマメの生息している地域にはアマゴは生息せず、逆にアマゴの生息地域にはヤマメは住んでいません。

 

アマゴの味はヤマメと似ているため、食べ方も塩焼きや押し寿司など同じ食べ方がおすすめです。

イワナ

イワナ

イワナは海と河川を行き来することはなく、一生を淡水で過ごす陸封型で、釣ってよし!食べてよし!で釣り人に人気のある魚です。

 

管理釣り場でも人気の対象魚であるイワナは緑味がかったグレーの魚体に白やオレンジの点が特徴です。
貪欲に餌を食べに来るので、スプーンよりも小魚をもしたミノーでの釣りがおすすめで、名前の通り岩陰に身を寄せていることが多いので、ミノーで岩陰のそばを狙うと釣れる確率が高いです。

 

イワナは身がしっかりしているので、一番のおすすめは炭火で皮が焦げるまでしっかりと焼き上げた塩焼きです。また、養殖物であれば刺し身もおすすめします。

イトウ

イトウ

イトウは体長1mを越える日本最大級の淡水魚です。
日本古来の魚で北海道のみに生息していますが、近年は個体数が減少し絶滅危惧種にも指定されるなど幻の魚と言われていました。

管理釣り場に放流される魚は養殖された物となりますが、イトウ自体はとても成長が遅い魚で、体長1mまで育つのに10年はかかると言われています。
そのため、管理釣り場においても大量に放流されるわけではなく、幻の魚として釣人からも憧れの眼差しで見られています。

 

イトウは釣れてもリリース対象になっている管理釣り場さんが多く、なかなか食べる機会は少ないかと思います。 赤身ではありますが、どちらかというと淡白で白身に近く、身はかなりしっかりとしていて刺し身で食べるとコリコリとした食感です。

釣れたらラッキー!レア度高めな珍しい魚

管理釣り場の池の中で他の魚とは明らかに違う一際目を引く魚がいるはずです。
ここでは管理釣り場で釣れたらラッキーなレア度高めな魚について紹介していきます。

アルビノ

アルビノ

管理釣り場の池の中でひときわ目立つ白い魚がアルビノになります。
アルビノはメラニン色素が欠如して生まれるニジマスの突然変異種で、養殖の中で突然変異で生まれる事は珍しく、現在管理釣り場さんで放流されているアルビノは、アルビノを親として生まれた個体となります。

ホウライマス

ホウライマス
画像出典:BAR BOTA(https://barbota.exblog.jp/)

魚体に斑紋が一切無い魚がホウライマスです。

水産試験場で偶然発見された突然変異の斑紋の無い個体のみをかけ合わせた品種になります。
放流している管理釣り場も時々見かけますが、通年放流するわけではないので個体数が少ない事と、薄っすらと斑紋が残ったあいのこと呼ばれる物なども混ざっているため、ホウライマスという確信が持てない場合も時々あります。

コバルトマス

コバルトマス
画像出典:しば たい @YABUKOGI_LIFE

池の中でひときわ青く輝いて見えるのがコバルトマスです。

突然変異により脳下垂体に異常があるせいで体色が美しいコバルトブルーに変化した個体です。とても美しい見た目なのですが、繁殖が難しく、そもそも病気にかかりやすい個体の為大量生産できない個体と言われています。

食べてうまい!釣れたらお持ち帰り確定な美味しい魚

エリアトラウトの楽しみの1つはやっぱり釣った魚を食べる事。
ここでは、いろいろな種類が放流されている管理釣り場で、釣れたら是非お持ち帰りして堪能して欲しい美味しい魚を紹介します。

頂鱒

top trout
画像出典: 宮城アングラーズヴィレッジ

ここ数年、管理釣り場で美味い魚と話題になっているのが「頂鱒(イタダキマス)」になります。


「頂鱒」は日光にある神山水産が2018年にブランド登録した魚で、通常よりも成熟して卵を生むのが遅い個体を選んでかけ合わせ、通常は2年で成熟して産卵する所を、4年まで育てることができる魚になります。

 

普通であれば2年で卵を生むため、成長もそこで止まり、卵に栄養を持っていかれるため味も落ちてしまいますが、「頂鱒」は4年間成長し続けるため肉質はそのままに通常よりも大きな個体に成長することが出来ます。
また、餌も独自配合された餌で育てられるため、赤身で肉質の良さが特徴です。

 

「頂鱒」は嫌な臭みもなく、どんな料理にでも向いていると言われていますが、一番のおすすめはその肉質を実感できるお刺身です。

ロックトラウト

美味しいと評判で、コレを釣るために釣り場を選ぶ釣人もいるほどに人気のあるのが「ロックトラウト」です。


「ロックトラウト」はニジマスとアメマスの交配種で全てがメスの三倍体になります。
アメマスのイワナ要素を色濃く受け継いでいるので、釣った際も引きが強く釣り応えがあり、食べても美味しいので釣って良し!食べて良し!の人気の魚です。

釣り人によっては12月になるとお正月用にロックトラウト狙いで管理釣り場に通う人も多く、年末の風物詩になっています。

 

「ロックトラウト」と言えば美味しい魚として定評があり、包丁で捌いていても、包丁に脂がついて切れ味が落ちるほどに脂がのっている身はサーモンのように真っ赤な赤身をしています。
おすすめの食べ方は少し寝かせて熟成させてからお刺身で頂くのが、まさにとろサーモンと言った感じでおすすめです。
また、網の上で脂を落とすようにして焼いた焼き魚もたまらないですね。

銀鮭

銀鮭
画像出典:しば たい @YABUKOGI_LIFE

コンビニの鮭おにぎりや、スーパーで売っている鮭の切り身の正体が「銀鮭」になります。

「銀鮭」はスモルト化(銀化)して降海した個体が海洋で1~2年ほど生活して、川に帰ってきますが、管理釣り場や食用の銀鮭はほとんどが海上で養殖された養殖物となります。「銀鮭」はとても成長が早い魚で、身には程よく脂が乗っていて美味しいと言う事で養殖が盛んに行われています。

 

管理釣り場では冬に放流されることが多く、美味しい魚として人気の対象魚になっています。
20~30cm程の身が白い物は海上養殖される前の物で、身が赤いものは海上で養殖されたものになります。
白身の方がニジマスっぽさが少し残った感じ、赤身の方はまさにシャケ!と言った感じで風味が異なっているのも特徴といえます。

おすすめの食べ方は焼鮭やムニエルなどもいいですが、管理釣り場の方に教えて頂いた一番のおすすめのため方は背開きの一夜干しになります。干すことで旨味が凝縮されているので一度食べたらハマる人続出だそうです。

まとめ

今回は管理釣り場で釣れるトラウトやその仲間達をいろいろと紹介してみました。


いつもなら釣るだけのニジマスでも、見た目などからその魚の名前がわかると更に釣ることが楽しくなってくると思います。
また、魚種によっては狙って釣る事も可能ですので、魚の性格や特徴を調べて狙ってみるのも面白いかもしれません。


もちろん管理釣り場によって放流されている魚が異なるため、紹介している魚が絶対に釣れるわけではありませんが、管理釣り場によってはホームページやSNSで放流している魚や、事前に放流情報を公開していますので、それらの情報を元に、魚種狙いで管理釣り場に行ってみるのはいかがでしょうか。


今回は魚の説明する際にその魚のおすすめの食べ方も載せてみました。
基本的には、書いている私自身が実際に釣り場で釣って、食した経験から書かせて頂いていますので、それ以外にも美味しい食べ方が有ると思います。
ただ、その場で釣って、その場で調理して食べた魚が美味しい事に変わりはないと思いますので、釣ったらリリースするだけでなく、是非食べてみてあげて下さい。


最後になりますが、トップ画像に使用させて頂いている管理釣り場は茨城県にある「フィッシングエリアJ」さんになります。
ここの魚はとにかく美味しい!昼時になると事務所前に炭火が用意されるので、自分で釣った魚を捌いて焼いて食べることが可能です。
タイミングがいいと常連さんがニジマスを入れた汁物などを作っていて、ご相伴に預かれる可能性もあります。
美味しいニジマスが食べたいと思った時にはよく通わせて頂いている管理釣り場さんです。