足漕ぎカヤックとは

足漕ぎカヤック
出典:マリンボックス100

よく言われる「ホビーカヤック」という言葉の語源は、もともとHOBIE社製のカヤックを指す言葉だったものが一般化して、足漕ぎカヤック全般をホビーカヤックと呼ぶようになったと言われています。ただ足漕ぎタイプの中でも特にミラージュ式のカヤックはHOBIE社独自のミラージュドライブを搭載しているため、ミラージュタイプのみをホビーカヤックとして呼称する場合もあります。

手漕ぎ(パドルタイプ)との違い

ペダルカヤック 水中イメージ
出典:マリンボックス100

手漕ぎと足漕ぎ、両者の最大の違いは名前にもあるとおり推進力を得るために手・足のどちらを使うかです。手漕ぎはパドルと呼ばれるブレード状の櫂を漕ぐことで推進力を得るのに対し、足漕ぎタイプは備え付けのペダルを踏むことで、フィンないしプロペラを駆動させて推進力を得ます。

必要なもの

足漕ぎカヤックを始めるのにとりあえず必要なものをご紹介します。

  • カヤック・・・船体と合わせて、アンカーも揃えましょう。

  • 足・・・当たり前ですが、メインの動力となる足は非常に大切です。

  • フローティングベスト・・・転覆した際や非常に心強い必須アイテムです。

  • 予備パドル・・・故障や怪我などもしもの時の推進力のためです。

  • ホイッスル&フラッグ・・・自力ではどうしようもない時に活躍してくれます。

  • その他にも偏光サングラスや紫外線カットの帽子類は必須です。

足漕ぎカヤックの種類について

前述にフィン or プロペラと書いたように足漕ぎカヤックは大きく二つのタイプに分けられます。どちらのタイプも人気がありメリット・デメリットやそれぞれの特徴を解説いたします。

ミラージュタイプの特徴(メリット・デメリット)

ミラージュタイプは船底に取り付けられたフィンをペダルによって駆動させる機構を持つ子ヤックのことです。もともとHOBIE社が開発したミラージュドライブが元祖で、フィン式の駆動機構自体が同社の専売でしたが、今ではミラージュタイプとして同様の機構を持つカヤックも販売されるようになりました。水の抵抗を軽減させる設計と、一度進み始めると比較的小さい力で進むことができるため、長距離の移動を伴うフィッシングや、海上でのフィッシング、体力に自信のない方にもおすすめです。さらにプロペラタイプと比べスピードを出しやすいため、広範囲に及ぶフィールドを効率的に攻めたいような場合もミラージュタイプが良いでしょう。

一方デメリット面としては、小回りがきかないことや、プロペラタイプのようにバックができない点(HOBIE社の上級モデルには行進や旋回可能モデルも有)、そして何より価格的に30万円〜というコスト面が挙げられます。

プロペラタイプの特徴(メリット・デメリット)

プロペラタイプのカヤックはペダルを踏むことで船外に取り付けられたプロペラを駆動させて進むタイプのカヤックです。ミラージュタイプのカヤックと比べ、小回りが良く狭いフィールドなどで活躍するバック(後進)機能もついています。価格帯もミラージュタイプのホビーカヤックより低価格帯で手に入る点も特徴に挙げられます。一方デメリット面としては、漕ぎ心地・スピード面でミラージュタイプと比べるとやや劣ります。また漕ぐためのペダリングに力が必要になるため足腰への負担がかかり、長時間の使用、非力な方には不安点が残るといったところでしょうか。

2人乗りタイプ

一人フィッシングも良いですが、お仲間やパートナーと一緒にフィッシングしたいという方には2人乗りタイプのカヤックがおすすめです。2人乗りカヤックのメリットにはまず安全面が挙げられます。体力が不安な方も2人分、もし疲れてもインターバルを設けて交代で漕ぐことも可能です。また同時に漕げばスピードも×2倍。船体自体も大きめの設計なため、その分安定性も期待できます。そして話し相手がいる、喜びを分かち合えるというのも2人乗りタイプの醍醐味ですね。

一方デメリットとしては、大きさに伴って重量もあるため、水や風の抵抗を受けやすいという点に加え、積載する際や運搬、移動にもそれなりに力が必要になるところです。

足漕ぎカヤックの選び方

カヤック イメージ
出典:マリンボックス100

以上を踏まえた上でさらに詳しく使われるシーンや用途についても掘り下げながら賢くカヤックを選ぶ方法をお伝えします。

目的に合ったカヤックを選ぶために

釣りで使う場合

1人用カヤックの一般的なサイズは320mm〜420mmで、長いほど速度や保針性が上がります。サイズを選ぶ際の目安は車載サイズ内に収まること。スタンダードクラスのボディに使われる材質でよく見られるのがポリエチレン製。ハイエンドモデルではABSやポリカーボネート製のものがありますが、いづれも耐久性に優れ管理次第では半永久的に長く使えます。

車載に搭載できない、あるいは運搬面で不安が・・・という方は空気で膨らますインフレータブルタイプがおすすめです。収納性はダントツでキャリアがない場合も車内に楽々収納可能なほか、付属のキャリーバッグを使えば公共交通機関でもいけます。一方の不安点としては、たたむ際に折り目癖をつけないようにしたり、後述の艤装(カスタマイズ)の際の工夫や、航行中にブッシュや針などに当てないようデリケートな管理方法が求められることが挙げられます。またモデルによっては気室を複数個に別けることで、空気漏れ対策しているものもありますが、インフレータブルを選んだのなら、それでも万が一の時に最悪自力で泳ぐか、救助を待たなければいけなくなる事も想定して事前対策されることをおすすめします。

またカヤックにはシットオン、シットインタイプがありますが、足漕ぎモデルは基本的にシットオンタイプになります。

2人乗りの違い

前述しました2人乗り(タンデムモデル)ですが、やはり同行者やペットと一緒に釣りを楽しみたいという方は1人乗りとどちらにしようか迷われると思います。

そういった方のために簡単に両者の違いをHOBIE社のコンパスというモデルを例に解説いたします。

ホビーカヤック ミラージュ コンパス
ホビーカヤック ミラージュ コンパスデュオ

最大搭載重量

181kg

215kg

船体重量

31kg

41.7kg

完成重量

39kg

57.6kg

国内販売価格

437,800円

647,900円

引用: https://www.marinebox100.com/mirage-kayaks

やはりネックとなる部分は約21万円の価格差でしょうか、また長さも2人乗りは50cmほど長くなります。道路交通法では積載物のはみ出しについて長さは車の全長の10分の1、高さは3.8m(軽自動車は2.5m)を超えないことと決まっています。

つまり1人乗りでは軽自動車(全長3.4m + 34cm =3.84m)でも積めますが、2人乗りは規定違反になります。

しかしその一方で幅はほぼ同じで、重量も18kg程度の差に留まっています。重さに関しては、2人で運ぶ際はむしろ1人乗りよりも軽く感じられそうです。大は小を兼ねると言いますが、1人乗りとしても使えるタンデムモデル。選ばれる際のポイントはこの18kgを1人で運ぶ際に重いと感じるか否かとお財布事情に尽きるのではないかと思います。

(湖・沼・湾内)向け

水面が穏やかなフィールドをメインとされる場合は選ばれる際の目安として、275cm〜350cmのカヤックがおすすめです。比較的軽量で短く1人でも運搬が容易にできます。

外洋向け

湾を出る場合や、波の荒い場所をフィールドにされる場合は、外洋向けのモデルを選びましょう。目安の全長は365cm〜425cm。波や天候の変化がよりシビアに安全性へと関係してくるフィールドでは、小回りや携行性を損なっても推進性や安定性が貴重になります。

車載出来るか確認する

車載カヤック

車載に搭載については前述の通りまずご自身の車の全長を調べ道路交通法を遵守しましょう。また車の屋根に積載するためには「ベースキャリア(フット+バー+フック)」に「アタッチメント」を取り付け、カヤックを固定します。ベースキャリアの構成パーツはそれぞれ個別で購入することができますが、各メーカーの互換性の有無と車体との適合性を確認する必要があります。

足漕ぎカヤックもパドルが必要

両手が空いて釣りに専念できる足漕ぎカヤックですが、安全性を考慮すると予備のパドルは積んでおいたほうが無難です。川や沼、比較的小規模の湖であれば万が一駆動系のトラブルに見舞われた際にも、流れとフローティングベストを利用すれば、自力で岸にたどり着く事も可能ですが、湾内や、湾外に出る際は必ず携帯しましょう。またその際もハッチの中に格納するのではなく、パドルホルダーやデッキに出して急に起こるかもしれない予期せぬ事態に備えましょう。

拡張も視野に入れる

快適な釣りを楽しむためにカヤックをカスタマイズすることを「艤装」と呼びます。艤装は船体に穴を開けてパーツを取り付ける方法の他に、予め船体に設けられたレールにパーツを取り付ける方法があります。

*フローティングカヤックの場合、船体に穴加工ができないため工夫しないといけないことがあります。

船体に穴を開けて取り付けるマウンターは、ロッドホルダーの収納に適したものや、ボールジョイント式の角度を自在に調節できるもの、ランディングネットやフラッグの固定に最適のチューブタイプのものなどがあります。

レールにはめ込むタイプのマウンターには魚群探知機関連のモニター、センサーなどに対応したモデルが一般的です。

カヤックの手入れ

最後に気になるカヤックの手入れについて触れたいと思います。使用後の基本手入れから、メンテナンスまでおすすめの手入れ方法をご紹介します。

水洗いでOK

カヤック水洗いイメージ
出典:カヌー・シーカヤック専門店の「サウスウインド」

いわゆるポリエチレン製などのハードタイプのカヤックのお手入れは基本的に水洗いでOKです。そこまで気にしない人はどうせ汚れますしおすすめしませんが最悪洗わなくても問題ありません。

 

ただし砂利などが付着したままルーフトップに固定して運搬すると、走行中に雨などが降った際、フロントウィンドウに流れ落ちてきてワイパーで取り除こうとするとガラスに傷がつくことがあるので要注意です。

 

また魚のぬめりや血液がついたまま保管すると異臭の原因になり、ハエやスズメバチなどが寄ってくる事もあるので、基本的に使用後は軽く水洗いすることをおすすめします。

ハッチ周りの掃除については念入りに行った方がいいです。

 

ハッチの蓋についているOリングは乾燥すると開け閉めが困難になったり酷い場合は浸水の原因に繋がりますので、ホームセンターなどでも買えるシリコンスプレーを塗布しておくと良いでしょう。

 

最後に船内に残った水分を取り除けば完璧です。淡水であればアオコ類、海水であればバクテリア類は放っておくとあとあと異臭の原因になったり、除去するのが困難になるため毎回ケアしておきましょう。その際は防カビ、耐久性、吸水性の高いビルジスポンジが便利です。

カヤック水洗い
出典:前掛け専門店エニシング

インフレータブルをお使いの方は収納する際水気が残っていると臭いやすいため、ハードタイプのカヤックよりも念入りに水気を取り除き、紫外線による劣化を防ぐためUVコートスプレーを塗布しておきます。


また使用につれ接岸の際など気よつけていても傷がつき穴が空いてしまうことがありますが、軽度のものは自転車のパンク修理のようにパッチを当てれば応急処置することが可能です。久しぶりに使う際は、手間ですが持ち出す前に一度空気を入れてみて2時間ほど放置し、空気漏れがないか確認されることをおすすめします。


保管場所については湿気が少なく風通しの良い直射日光のあたらない場所を選びましょう。

動力(プロペラ・フィン)は取り外せる

カヤック フィン
出典:Hobie

基本的に専門の業者に任せたいところですが、小慣れた方であればミラージュドライブやプロペラなどの動力パーツをご自身で取り外してメンテナンスする事も可能です。強者の中にはパーツを取り外し、分解して故障箇所を販売元から取り寄せ自分で直してしまう方もいらっしゃいます。またそこまでではないにしても、例えば船体はそのまま使い続け、動力だけを新しいパーツに交換して長く経済的に使い続けるといった事も可能です。

足漕ぎカヤックのおすすめ5選

つかまえ太郎様
出典:つかまえ太郎の美味礼讃

カヤックについてのあれこれがわかったところで、いよいよ足漕ぎカヤックのおすすめモデルをご紹介したいと思います。

マコ10 インパルスドライブ(Riot Kayak)

ライオット マコ10インパルスドライブ
出典:クリアウオーターカヤックス

プロペラタイプのインパルスドライブを搭載した淡水、内海向けの足漕ぎカヤックです。全長315cmに総重量35kgとコンパクトなスペックでmini 、ロッドホルダー×4、アクセサリーレール×6と拡張性も十分です。またインパルスドライブは自己潤滑素材が採用されているため注油の手間いらず。

ミラージュ パスポート10.5(ホビーカヤック)

Mirage Passport 10.5
出典:カヤック市場

ミラージュドライブを最安値で体感できる1人乗りカヤックです。必要最低限の装備にはなりますが、ロッドホルダーは2ヶ所あり、軽量で座面の大きなメッシュシートモデルです。完成重量も34kgと比較的軽量で初心者の方にもおすすめです。後からバック可能なミラージュドライブMD180にアップグレードする事もできます。

Zero Kayak 12ft (ホライゾンウォーカー)

ZERO KAYAK 12FT
出典:HORIZON WALKER

世界的にも知られている中国の老舗カヤックメーカーZero Kayak × ホライゾンウォーカーの入門モデルです。360cmと海釣りの標準レングスで、ロッドホルダー×4、アクセサリーレール×5、ハッチ類は一体構造で浸水防止にも良さそうです。

スレイヤー・プロペル12 LT(ネイティブ ウォータークラフト)

ネイティブ・スレイヤー・プロペル12 LT
出典:フィッシング&アウトドアFUN

ネイティブウォータークラフトはアメリカ発のカヤックブランドで、こちらは湾外用のプロペラ式足漕ぎカヤックの入門モデルになります。全長は366cm、本体素材にはアクリル+ABS樹脂のTrylonが使われており重量は37.2kgと湾外モデルにしては軽量です。ロッドホルダーは2ヶ所ついています。

ミラージュ iTrek9(ホビーカヤック)

出典:マリンボックス100

ホビーカヤックのインフレータブルカヤックの入門モデルで、総重量はシリーズ最軽量の16.3kg。折りたたんだ際のキャリーバッグはタイヤ付きなので移動や積み込みも楽チンです。価格こそそれなりにしますが、ルーフキャリーがいらないことを考えると多少高くても納得せざるを得ません。

コスパのいい足漕ぎカヤック3選

チョイコギ280

チョイコギ280
出典:PayPayモール

全20色の中から選べる280cm / 重量27kgのコンパクトで軽量な足漕ぎカヤックです。フィンタイプのドライブで、ロッドホルダーはワンタッチ式が1ヶ所と固定式が2ヶ所ついています。10万以下で購入できる足漕ぎとしてはなかなかのスペックで、とりあえずカヤックフィッシングを初めてみたいという方におすすめです。

ペダル式パドルボートod551(Hill Stone)

ペダル式パドルボード od551
出典:ヤフーショッピング

プロペラタイプのインフレータブル足漕ぎカヤックで、後進可能なモデルです。全長は300cmなので、水面の穏やかな湖や湾内などが良さそうです。重量も26.3kgと軽量です。釣りに飽きたらパドルを使ってツーリングなんかもできそうです。

13フィート ペダルドライブカヤック(ディスカバリーカヤック)

13フィートモデル
出典:楽天市場

全長397.5cmのペダルタイプの大型足漕ぎカヤックです。標準装備はかなり充実しており、拡張性は抜群でコスパも良いですが、重量が船体のみで50kg近くあるため、1人でカートップする場合は工夫しないと乗りません。

まとめ

出典:Nautic EXPO

以上が失敗しない足漕ぎカヤックの選び方とおすすめ記事になります。最後におさらいとしてもう一度選択肢を絞る手順を繰り返します。

 

①まずメインとなりそうなフィールドを想定し駆動形式を決める。

②カヤックの大きさ、搭乗定員と相談しましょう。

③運搬方法を車載にするかを加味します。場合によってはインフレターブルなどを選びます。

 

もうここまで来たらカヤック選びに迷われていた方も、自ずとご自身に最適なカヤックのイメージが見つかっていると思います。それではまだ見ぬ獲物を求め、愛機とフィールドへ繰り出しましょう。

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