夢のカヤックを漕ぎ出した方、そして、そのカヤックで「釣りの世界」へも漕ぎ出してみたいという方へ。

釣りのタックルは、多くのメーカーから様々な魚種に応じたモノが数えきれない程出ています。カヤックフィッシングで狙える魚と、釣り道具はどんなモノを選べば良いのか、判断しにくいと思います。

できれば最初に揃えるタックルは万能で、どんな魚も狙えるに越したことはありませんよね。ご心配なく。ここでは、なるべくオールラウンドに使えるロッドを、ご紹介をさせていただきます!

カヤックフィッシングでは万能ロッドがおすすめ

カヤックフィッシング

万能って結局は「安物買いの銭失い」になるのでは?と思っている方もいるかも知れませんね。狙う魚種をある程度絞れば、万能に使えるロッドがあります。

万能ロッドがおすすめの理由

足漕ぎカヤック
出典:マリンボックス100

海では、季節に応じて旬な魚種が変わります。魚種毎に特化したロッドが様々なメーカーで研究され、多くの種類とランクの竿が出回っています。確かに狙う魚毎に専用のロッドを揃えるのが理想だと思いますが、予算がいくらあっても足りないでしょう。

カヤックフィッシングの場合はオカッパリとは違い、狭いスペースでのキャスティングの際に、別のロッドに当てて破損してしまったり、最悪の場合、転覆してタックルを海に沈めてしまったりといったリスクもあります。そのため、カヤックに持ち込む荷物やタックルは、必要最小限にとどめるのが理想です。

カヤックに搭載できるタックルの数

カスタマイズ シーカヤック

カヤックにはオプションの場合もありますが、通常4本程度のロッドを挿し込んでおける、「ロッドホルダー」や「ロッドスタンド」があります。もしもの場合に備えて、「目一杯のタックルを持ち込んだ方が良いのでは?」と思う方もいるかも知れませんね。ただ、タックルが多いと迷いも多くなり、釣りに集中できなくなるものです。

まずは目指す釣り場で、今どんな魚がどの様なルアーで釣れているかを、事前に釣具屋さんやネットで情報収集。その上で、複数のターゲット用のルアーに対応できる万能ロッドを、2~3種類だけ用意しておけば、季節毎のターゲットは、ほぼカバーできます。

万能ロッドのメリット・デメリット

万能ロッド

メリット

・ルアーチェンジだけで、多くの魚種に対応可能

・限られたカヤック上のスペースでの取り回しがし易く、トラブルも少ない

・持ち込むタックルを減らせるので、落水・損傷のリスクが最小限

デメリット

・ルアーの性能を、100%発揮できない可能性がある

・ルアーチェンジの手間がかかる

・想定外の魚種がヒットした場合に、バラシのリスクが高まる

 

ただ、デメリットに記載した事項は、多少の手間さえ我慢すれば、あとは「腕」次第。攻める層(レンジ)やルアーを変えてみたり、ルアーのアクションを工夫したりしながら、魚をヒットさせ、ハラハラしながらも何とかランディングする迄の全てが「釣り」の楽しさです。

カヤックフィッシング万能ロッドと相性のいいリール

カヤック釣りに合ったタックル

ロッドもリールも、使用後は塩分を真水で洗い流すメンテナンスが必要です。特にリールは金属製のため、分解しての水洗いは単純な構造の方が楽なので、最初から高価なモノを選ぶ必要は無いでしょう。

種類(ロッド)

ロッド タックル

ロッドの種類は大別して、スピニングロッドと、ベイトロッドの2タイプがあります。

前者は、スピニングリールのハンドル部分を取り付けるリールシートが下になる様に使用します。ライン抵抗を減らすためガイド(糸通し)は大きめで、軽いルアーでも投げやすいのが特徴。

後者は、ベイトリールのハンドル部分を取り付けるリールシートが上になる様に使用し、下に指をかけるトリガー(出っ張り)が飛び出して、ガイドは小さめです。パワーがあり、重いルアーでも扱い易いのが特徴です。

 

いずれも長さは6~7フィートが使いやすいでしょう。

長いロッドはロングキャストに有利ですが、カヤックだと漕げばポイントに近付けます。また、カヤックは水面が近いので、長いロッドはアクションする際に先端で水面をたたきがちですし、ロッドの先端に糸が絡んだ際にほどきにくいものです。

逆にロッドが短すぎると、ヒットした魚が左舷から右舷側に走った際に、カヤックの先端を交わしながら取り回す事ができません。全長3m前後のカヤックであれば、ロッドは6フィートあれば、まず取り回しが可能です。

スピニングリール

ルアー

初心者の場合は、スピニングリールを選ぶのが良いでしょう。軽いルアー(ワームなど)でもキャストや落とし込みが簡単にできて、トラブルも少ないのがメリットです。反面、使えば使うほど糸ヨレが激しくなります。

円滑性やパワー性能がUPした高性能・高価格帯のモノも多く出ていますが、水没リスクもあるカヤックでは、そこまでの製品を使う必要は無いでしょう。

おすすめは、以下の2500~3000番台のスピニングリールです。

シマノ ナスキー C3000HG

ナスキーCS3000HG
出典:SHIMANO

ビギナーからベテランまで満足度の高いハイパフォーマンスモデル。メインギア部分に「HAGANEギア」採用で耐久性抜群。「サイレントドライブ」で、スプールの安定感が向上。防水機能も高く、ボディ内部への浸水もガード。

ベイトリール

スプール自体が回転しながら、ラインを常に平行に巻き取りとリリースを繰り返すので、糸ヨレがなく、構造が単純ゆえ最大のパワーが発揮できるのが特徴です。

反面、キャストにはある程度習熟が必要です。ルアーが着水すると、ラインの出が止まりますが、スプールの回転は急に止まりません。親指でスプールを押さえて(サミング)回転を止めないと、「バックラッシュ」(糸が複雑に絡み合う)して、ラインを元の状態に復元させるのに、相当時間を要してしまう事もあります。それを防ぐには、事前にルアーの自重に合わせた「ドラグ調整」が必要。ドラグを締めることにより、スプールの回転を抑制する事ができます。ただ、締め加減は慣れが必要なので、「習うより、慣れろ」です。数時間も使用すれば感覚はつかめるハズ。

高価格のものほどスプールの回転が滑らかで飛距離も出て、ドラグ性能も良くなります。但し、カヤックフィッシングでは、最初は以下の買いやすいモデルで充分でしょう。

シマノ ソルティーワン HG

シマノ ソルティーワン HG
出典:SHIMANO

超高強度真鍮大径ドライブギアで、錆びに強い材質採用。スプールの滑らかさも特徴で、キャスト飛距離の向上と、スムーズなバーチカルフォールと底取りが可能。濡れても滑りにくく、指にフィットするEVAハンドルノブを搭載。

対応ジグの重さ

メタルジグ

ロッドのパワークラスは、ミディアムライト(ML)程度が、カヤックフィッシングでの汎用性があります。以下のルアーの自重をカバーできるパワーです。

・シーバスルアー:ミノーで20g前後、バイブレーションで28g前後

・アオリイカ エギ:3~3.5号(30g程度)+水深30m前後を狙う場合には、別途10~30gのシンカーを併用

・メタルジグ:40g~100g前後

カヤックフィッシング万能ロッドで釣果を上げられる魚種

カヤックフィッシング

例えば夏。メインはシーバス狙いだったけど、ボウズ逃れでロックフィッシュに狙いをチェンジ。その間に急に水面でボイルが発生して、すかさずミノーにルアーチェンジして投入。そんなゲームに対応できるのも、カヤックフィッシングの醍醐味でしょう。

ロックフィッシュ

カサゴ

カサゴ、ソイ、アイナメといった、海底の「根=岩礁帯」周りに居着く魚。目が頭の上向きに付いているので、上から落ちてくるエサに機敏に反応します。

使用するルアーは、グラブ、シャッドテール、クロー系ワームをセットした「ジグヘッドリグ」、「テキサスリグ」が有効です。「オフセットフック」を使用すれば、フォール後横引きしても根掛かりしにくく、ロッドを通して底の状態も把握できます。

ヒットした後は根に潜ろうとしますので、早めに根から離せるロッドパワーが必要です。

砂地の混ざった岩礁帯には、コチやヒラメもいて、嬉しい外道です。ロックフィッシュ同様、見栄えが悪い魚(失礼!)は、食べると非常に美味しい白身魚ですので。

シーバス

シーバス

水通しの良いカケアガリや、岩や海藻のある根周り等、地形変化のある場所や、潮目周辺などに居着いています。そこにカタクチイワシ、イナッコ、コノシロ、サッパ等のベイトフィッシュの群れが回遊して来ると、活発に補食します。これらベイトフィッシュが表層でナブラが立っている場合は、トップウォータールアー(ポッパー、ペンシルベイト等)や、ミノーを表層でジャークやトゥィッチさせると良いでしょう。ナブラが消えかかった際は、レンジを深めに変えながら探ります。シンキングミノー、リップレスミノー、メタルバイブ、ジグヘッドを使用したスイミングベイト(シャッドテールワーム)等を、レンジを変えながらテンポ良くリトリーブします。基本的にキャスティング性能の高いロッドが適します。

万能なのは、30g位までのルアーに対応できる、スピニングタックルでしょう。

アオリイカ

アオリイカ

日本発祥のイカ釣り用ルアー「エギ(餌木)」を使って釣ります。春先は産卵のため、浅場の岩や海藻のあるエリアで大型を狙えますが、孵った子イカが小さめのエギにも活発にヒットしてくるのが秋。冬に向けて深場に沈みはじめますので、このシーズンこそがカヤックでの狙い目!

水深20~30mエリアを「ティップランエギング」で。3~3.5号(30g程度)のエギをカヤックからほぼ垂直に落とし、着底後即糸フケを取ってから3~5回大きくシャクリ上げます。ボトムから5m範囲のレンジで糸を張った状態で静止させます。カヤックが潮に漂いながらゆっくり水平移動している間に、ヒットが集中します。アタリが無い場合は、再度ボトムに沈めてから同じ動作を繰り返します。

激しいシャクリを繰り返せる軽さと、根に向かって逃げようとするイカを引き寄せられる、バッドパワーのあるロッドが必須です。軽さとパワーを両立したエギングロッドは、正にカヤックフィッシングに最適なタックル!

ライン:PE0.6号の先端に、リーダー(フロロカーボンの2~3号を1.5m)を付けた先に、エギを装着します。

回遊魚

回遊魚

シーバス同様、水面にナブラが立った場合は、その先にトップウォータールアー(ポッパー、ペンシルベイト)や、ミノーをすかさず投入します。ナブラの中を速いテンポでただ巻きやジャークをさせると、ベイトフィッシュを狙った一回り大きな回遊魚イナダ、ワカシ、ソーダガツオ等が下からヒットしてきます。

水面でナブラが立っている時限定なので、これらを見付けたらすぐさまカヤックを近付けてキャストしましょう。岸からのキャストで届かない所のナブラなら、正にカヤックフィッシングの独壇場!

回遊魚がヒットすると、横に下にと激しく泳ぎ回り、型が良いとそのトルクも相当なものですが、万能タックルでスリル充分に楽しめます。

カヤックフィッシング万能ロッドおすすめ10選

シーカヤック

ルアーの適合ウェイトや、適合ラインにより、複数の魚種ターゲットをカバーできる、実績あるメーカーのおすすめ万能ロッドを以下に紹介します。

メジャークラフト 2代目ソルパラX ライトジギング SPXJ-B64M/LJ

メジャークラフト 2代目ソルパラX ライトジギング
出典:MajorCraft

適合ルアー: 60~150g
適合ライン: PE0.6~1.5号

 

 

バーチカルなライトジギングに最適なモデルですが、シーバスや小型青物(サバ・サゴシ・ハマチ)、ロックフィッシュのキャスティング狙いにも広く対応できます。

1万円前後の価格帯で、カヤックフィッシングの入門用として使い倒せます。

シマノ グラップラーBB タイプLJ  S66-0

グラップラーBB
出典:PayPayモール

適合ジグウェイト: 20~100g
適合ライン: PE:MAX 1.2号

 

持ち運びに便利なグリップジョイント2ピースですが、1ピースに迫るスムーズな曲がりと強度を両立。ジギング向けの設計モデルですが、ネジレとブレに強い設計は、近距離のキャスティングにも対応できるハイパフォーマンスな万能ロッドです。

シマノ グラップラー タイプC B70L 2021

シマノ 21 グラップラー タイプC B70L 2021
出典:PayPayモール

適合ルアー: MAX 60g
適合ライン:PE :MAX 3号

 

サワラ、カツオなどの回遊魚のナブラや潮目にルアーを正確に撃ち込める、オフショア・ベイトキャスティングモデル。ソフトティップ設計で、精度の高いキャストと、安定したリトリーブが可能。スムーズな曲がりは、キャスト時の過度な反発を抑制し、バックラッシュのリスクも低減。

シマノ エンゲツBB B69ML-S (タイラバ ロッド)

シマノ 21 グラップラー タイプC B70L 2021
出典:PayPayモール

適合ルアー:30~100g
適合ライン:PE:MAX1.0号

 

ロッド全体のブレやパワーロスを抑えたうえに、高感度かつしなやかなカーボンソリッドティップ。Xシートデュアルガングリップは、握り心地良く疲れも緩和。キャスト性能も高く、安定したリーリングやファイトが可能で、横方向に効率良く探れるのは秀逸。

シマノ スコーピオン XV 1652R-2  フリースタイルロッド 21

シマノ 21 グラップラー タイプC B70L 2021
出典:PayPayモール

適合ルアー:30~100g
適合ライン:PE:MAX1.0号

 

ロッド全体のブレやパワーロスを抑えたうえに、高感度かつしなやかなカーボンソリッドティップ。Xシートデュアルガングリップは、握り心地良く疲れも緩和。キャスト性能も高く、安定したリーリングやファイトが可能で、横方向に効率良く探れるのは秀逸。

シマノ クロスミッションBB S66ML-S(スピニング用)

シマノ-クロスミッションBB-S66ML-S
出典:ヤフーショッピング

S適合鯛ラバ:MAX 80g
適合ジグウェイト:MAX 80g
適合スッテ:MAX 20号
適合エギ:MAX 60g

 

万能エントリーロッド。タイラバ、ライトジギング、ティップランエギングからアジングまで対応した、バランス性能。強化構造とブレを抑えた操作性と、パワーの向上も実現。しなやかで高強度なカーボンソリッドティップは、喰い込みの良さにも定評。

シマノ クロスミッション B66ML-S(ベイト用)B2020

シマノ クロスミッション B66ML-S
出典:ヤフーショッピング

B対応ルアー:鯛ラバ MAX100g
適合ジグ:MAX80g
適合スッテ:MAX20号
適合エギ:MAX60g
適合ラインPE:MAX1.2号

 

クロスミッションBBの上位モデル。タイラバ、エギ、ライトジグ等に対応した、「等速巻き」、「ジャーク」、「シェイク」、「フッキング」動作が快適な高バランス設計。カーボンソリッドティップは、しなやか&高強度で、白塗り+赤スレッドは視認性も抜群。

シマノ ソルティーアドバンス セフィア BB メタルスッテ B66ML-S

シマノ ソルティーアドバンス セフィア BB メタルスッテ B66ML-S

適合スッテ:8~25号/30~90g
適合ライン:PE 0.4~1号

 

ハイパフォーマンスメタルスッテ用モデルですが、ショートキャストによる広範囲の攻略も得意。軽快な操作性と高感度、スムーズな曲がりなど、高バランスの仕上がりです。ネジレ剛性も高めることで、不快なブレを抑えた強化構造。

シマノ 19 ソルティーアドバンス S63ML

シマノ 19 ソルティーアドバンス S63ML
出典:楽天市場

適合ジグウェイト:MAX 160g
適合ライン PE:MAX 2号

 

クラスを超える軽さ、シャープさ、パワーを実現。ライントラブルを抑止するオールKガイドを搭載。軽快で疲れにくいライトタックルのジギングにマッチ。マダイ、シーバス、タチウオ、サバの他、ブリクラスの良型青物にも対応。

ダイワ ヴァデル J60MLS

ダイワ ヴァデル J60MLS
出典:楽天市場

適合ルアー重量:50~150g
適合ライン PE:2~3号

 

軽量化を実現した低反発性ロッドは、体への負担も軽減。ジグのワンピッチジャークで、スレた魚に口を使わせることが可能なテクニカルスピニングモデル。細身、軽量でも粘りもあり、マダイ、サワラ、イナダ、ワラサクラスを中心に、ブリクラスまで対応。

ダイワ エメラルダス MX 711MLM-S

ダイワ エメラルダス MX 711MLM-S
出典:Amazon

適合エギサイズ:1.8~4.0号
適合ライン:0.4~1.0号

 

初心者から上級者の方にもおススメな、コスパ最高なロッド。しなやかなのにブレのない、軽量かつ高強度な構造。ティップは高感度なメガトップを備えたML、バットはMのパワー設計した、エギング用ショートモデルは、いかにも万能ロッド。

ダイワ デッキアクター63MLS-S

出典:楽天市場

適合ルアー:5-20g
エギ:2.5-3.5号
ジグ:20-80g
タイラバ:MAX120g
ティップラン:40-60g
イカメタル スッテ:MAX115g/30号
適合ライン:PE0.4-1.0号

 

スーパーライトジギングや、ティップランエギング、イカメタルなどの繊細な誘いが必要なバーチカルゲームに最適。ボートからの比較的モーションの少ないキャスティングゲームにも対応できる、ブルーなボディが魅力的な「マルチルアーボートゲームロッド」

まとめ

カヤックで沖まで出てポイントを探る場合に、重要な場所選びは「水通し」。良い水のエリアには良い海藻も生え、その周りにある岩や根に魚が付き、また、ベイトフィッシュが多く回遊魚も廻ってきます。

但し、岸近くの防波堤の先端など水通しの良いエリアは、一概に漁船や観光船の航路となっている事が多いので、周囲を見回しながら邪魔にならない様に。大型船の引き波でカヤックが転覆したら、大切なロッドも沈んでしまいますので、「安全第一」で楽しみましょう。

一通り慣れた頃には、毎回美味しい新鮮な魚を釣って、味わえる様になっているハズ。次は「my包丁」の検討も必要かも・・・。

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